*日本の食糧自給率と美味しいもの

 

平成29年度の日本の食料自給率は、

 

カロリーベースで38%

生産額ベースで65%

 

だそうである。

年々、日本の食料自給率は下っているそうだ。

といっても、都道府県別の食料自給率を見てみると、

北海道や東北などは100%〜200%程もあり、

極端に低い所は東京、大阪でなんと 1%となっている。

地方によって自給率は大きく異なる。

 

どっちにしても、日本で生産される食料で、日本人は養えていないと農水省は言っている。

淡路島に住んでいると、周りは農家さんがたくさんいるので野菜を分けてもらえることも多いし、

私自身も米や野菜を育てている。

野草や山菜はその季節になると有り余る程だ。

お肉は猪や鹿肉があるし、

魚貝はタダでは回ってこないけれど、新鮮で美味しいものは手に入る。

ありがたい事に、食料自給率が低いという印象は全くない。

 

島外の物を買うとしたら、

油や調味料、加工品、小麦粉、大豆、

興味本位で買ってみる外国産の嗜好品などだろうか。

特に急いで必要な物はない。

そもそも日本という国は、

春夏秋冬という四季があり、

海に山に川に陸地がある。

そしてなんといっても水が豊富で綺麗な国だ。

それゆえ日本人が食することの出来る食材の種類は豊富で、

1万2千種類もあるそうだ。

それに比べてヨーロッパの食材は2千種類というから

日本の豊かさがよく分かる。

 

…にもかかわらず、

なぜ食料が足りていないのだろうか。

いや、本当に足りていないのだろうか。

日本と言う土地が、日本人を養う潜在的能力は十分にあると思うのだが。

日本の食料自給率が下がった原因として、

日本人が日本食を食べなくなったことが大きな要因とある。

米よりパンを食べ、

味噌汁よりスープを飲み、

魚より肉を、

餡子より生クリームを、

日本茶よりコーヒーや紅茶を飲むようになった。

私もパンや小麦を使うお菓子が好きで、毎日のように食べている。

 

小泉武夫氏の「食と日本人の知恵」という本がある。

日本人が作り出してきた、発酵食品や加工品、保存食、調理法、出汁…等々の食材を美味しく食べる知恵が盛り沢山に載っている。

日本の1万2千種類の食材を、いかに「美味しく」食べるか、

そして食材がない時期にも、いかに「飢えることなく美味しく食べるか」ということに知恵を絞り、工夫し、編み出してきた長い歴史が日本にはあった。

 

日本人は五味以外に「旨味」があることを知っており、

いかに「旨く食べるか」、に知恵を絞ってきた。

読んでいると唾液が出てくる本であるが、

日本食って、アミノ酸調味料を使わなくても十分に美味しいものだということを教えてくれる。

わざわざ海外の遠い所からの食材を日常的に食べなくても、

こんな身近に美味しいものが沢山あり、美味しく食べる知恵が日本にはあるのだ。

そして、日本には「旬」があり、

そんな旬の物は安くたくさん食べれて、栄養価も高く、なによりそのままで十分美味しい。

遠ければ遠いほど、そんな旬の美味しさは味わえないものだ。

 

日本人が日本食を食べることで食料自給率が上がるのも大事なことだが、

それよりも、そんな美味しいものを日常的に食べないなんて、勿体無い、と思うのだ。

宝の持ち腐れ、とはこのことだろう。

嗜好品や、たまの楽しみとしてよその国の物を食べるのもいいが、

日本の美味しい食材を、日本人が築き上げた調理法で美味しく食べる方法がもうすでにあるのだから。

 

日本の、出来るだけ自分の地域の食材を、日本人が築いた知恵を使って美味しく食べる。

それだけで、日本の食料自給率はあとからついてくるのではないだろうか。