*米の蒸し方・基本

仕込みの季節がやってきた。

米糀に始まり、濁酒、味醂、味噌、甘酒、米飴・・・

ここ数年は、米の収穫が終わって、ほっと一息ついた1月から2月にこれらを次々に仕込んでいく習慣になった。

毎日のように何がしかを仕込んでいるような気がする、

とっても忙しい季節である。

さて何を仕込むにしても、「米を蒸す」という作業がついて回るのだが、

この「米を蒸す」という基本ができているかいないかで、それらの出来に大きな差が出る、ということに気が付いてから、

まぁまぁ神経質に米を蒸してきた。特に米糀なんかはそうだ。

もともとあまり神経質でない私には少々難しい作業でもあり、今でも完璧とはいえない。

まだまだ試行錯誤であるということを伝えた上で、この基本となる米の蒸し方を伝えておきたいと思う。

米の蒸し方・基本

①米を蒸す日の前日の晩に、米を洗い、一晩浸水する。寒い季節なら一晩、春夏なら半日で十分。

②翌朝、浸水しておいた米の水を切り、大き目のザルで広げてしっかり水切り2~3時間。米の内部にはしっかり水分が含まれているけれど、外側はサラッとしている状態がよい。

③蒸し器の準備をする。強めの中火でたっぷりの湯が沸いたら、蒸し器に蒸し布を敷き、米を投入する。

米の上から手でしっかり押さえて隙間が無いようにし、表面は平らになるようになでておく。

④蓋をせず、そのまま10分ほど待つと米の表面から蒸気が上がりだし、蒸気からは米のにおいがして、米の色が半透明に変化してくる。

米の表面全体が半透明に変化してから蒸し布で蓋をし、蒸し器の蓋をする。

⑤火を中火にし、45~60分蒸す。米の状態により蒸し時間は変わる。米を何粒か手に取り摘んでみる。芯まで火が通っているが、食べるには固い状態。米同士がひっつかず、ぱらっとしていればよい。

⑥飯台に広げる。団扇で扇いで蒸気を飛ばし40度以下まで冷ます。

ここから後は米糀を仕込んだり、濁酒や味醂を仕込んでいく。

濁酒や味醂はそこまで神経質になる必要は無いのだが、

米糀の場合は米の蒸し方が上手くいっていないと、麹菌の発育に大きな差が生じる。

*米糀を仕込む際の、さらに細かい注意点として、

①古米を使用する・・・新米の方が美味しそうに思うのだけれど、新米は水分が多く、米をぱらっと蒸すことができない。

米麹菌は好気性のため、米粒同士が引っ付いて団子になっていると、表面でしか菌が繁殖できない。だから米粒同士がくっつかず、一粒一粒がぱらっとしていなければ米全体に繁殖してくれないのだ。

ある年、古米がなくなり新米で仕込んだら、何度やっても上手くいかず、困りはてたものだ。なりくさしの米糀の使い道なんて知らないのだから・・。

それでも味噌や甘酒、濁酒になってはくれたが・・。

以下の注意事項も、この理由から米粒をぱらっと仕上げるためのものである。

②浸水時間・・・寒い季節なら浸水に時間がかかるため、8~10時間。暖かい季節なら4~5時間程度だろうか。もちろん米の状態にもよるのだけれど。

米にしっかり水が含まれたなら、その後の水切りもしっかりと、時間がないなら大きく広げて。米の表面が湿っていないように。

③蒸し時間と火加減・・・蒸し時間は慣れるまでは30分を過ぎた頃から米を触ってみて状態を確認してみればいい。芯まで火が通っていること、指で摘んで潰れず弾力があって食べるには固い状態を目指そう。

火加減も難しいもので、火が弱いと蒸しあがるまで1時間以上かかってしまう。反対に強火だと、早く蒸しあがるのだが、下のほうの米に蒸気が溜まりやすく、ご飯のようにべたっとなりやすい。

④蒸し器の蓋・・・蓋をしない、という意見もある。蒸し器の蓋には蒸気が溜まるから、蒸気が抜けていくように、布で蓋をする、という人もいる。一度、酒蔵で米を蒸すところを見学させてもらったことがあるが、そこでは頒布で蓋をし、蒸気は大きな換気扇で吸い上げられていた。そのような装置があれば新米でも上手く蒸せるのだろうが。

⑤最後に大切なのは、蒸し器だ。最近になってようやく和蒸籠という大き目の蒸し器を購入した。竹製の蒸し器にお釜の木の蓋。少々火加減がいい加減でも、いい具合に蒸しあげてくれる。なんで、もっと早くに買わなかったのか、悔やまれるのはそこだけだ。やっぱり道具は大切だな。というか、やっぱり日本人が昔から使っている道具は最高だ!

そんなところだろうか。あとは何度も米を蒸してみて、経験を積んで、

いい方法があればこちらが教えてほしいものである。

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