甘いものを食べるとなんだか幸せな気分になる。
ほっと一息ついて、気持ちを落ち着かせることができるし、
さっきまで嫌な気分だったのが、甘いものを食べると
まぁいっか、なんてことになる。
一日の中で何度かそんな時間を持ちながら、気分を入れ替えて前に進める・・
なんて大げさな話ではない。
ほんとに甘いものは幸せな気分にさせてくれるものだ。
けれど、白砂糖はあまり体に合ってないな~と思うようになってから、
普段の食事の甘みには味醂を使い、
おやつの甘みには甜菜糖か、黒糖、甘酒や味醂粕を使って十分甘さは事足りている。
3年ほど前に、麦芽から米飴を作ったのだけれど、
なんだかすごい時間と手間がかかったわりに、出来上がりの量がほんの少しだったので、
使うのがもったいなくて、後生大事に冷蔵庫の中にしまっておいたら、
なんとカビが生えてきた。
もちろん捨てたりしない。カビを取り除いて、また冷蔵庫にしまいこむのだ。
早く使えよ!と自分に突っ込みを入れながら。
こんな手間のかかるものは、二度と作らないな、と思っていたけれど、
今年は玄麦が少し残っていたので、もう一度作ってみることにした。
二度目とあって、なんともすんなりと作れてしまい、
そんなに手間もかからないじゃないか、と3年前の自分にあきれてしまうのだった。
米飴の作り方は簡単で、要は、
お米のでんぷん質を、麦芽又は米糀の糖化酵素を使って糖化させたもの(甘酒)を絞って液体を煮詰める。
それだけ。
麦芽で作る場合は少々の手間と時間を要し、3年前の私のように「使うのがもったいない~」なんて事になりかねないので、
まずは米糀を使って作るほうからやってみると、簡単で時間も手間もそんなにかからず作れるのではないだろうか。
*甘酒から米飴を作る
材料:餅米1合 米糀200g /出来上がり約150ml分
①餅米1合に水2合でおかゆを炊く。
②60度以下に冷ましてから米糀を投入し、よく混ぜたものを、50~60度で10時間保温し甘酒を作る。
③さらしで絞って液体と粕に分ける。
④液体を鍋に移し、火にかけ煮詰める。はじめは強めの中火で、少々ほっといてもよい。
⑤少し煮詰まってきて、泡が出てき出したら焦がさないように火を弱め、混ぜ続ける。
ここからは目が離せない。
⑥少しとろみが着き、琥珀色に変化してきたら、好みのとろみで火からおろす。
冷めると固まるので、少しゆるいかと思うくらいでちょうど良い。
約35分程煮つめた。
絞って500mlだった液体は約150mlになる。
保存瓶に入れて冷蔵庫で保管する。ゆるいほど日持ちしないので早めに使うこと。カビが生えたらもったいないもんね。
そのままなめても美味しいよ。
絞り粕も甘くて美味しい。
そのままでも食べれるし、少し水分を足して暖めて生姜を搾って甘酒としても飲める。
この搾り粕で、もう一度米飴を作れないかと思い、
水分を足して、絞って、煮詰めたら、少し白濁した米飴が出来た。
まぁまぁな量の絞り粕なので、おやつの甘みとしてぜひ使い切ってほしいな。
*米飴粕のチーズケーキ
材料
A・米飴粕400g 酒粕クリーム100g 好みの油70g
レモン果汁50g 塩ひとつまみ
B・粉60g BP10g 重曹小1/2
オレンジピールやナッツ、レーズンなど好みのもの50gなくても◎
作り方
材料Aを全てボールに入れ、乳化するまで混ぜる。
よく混ざったら、Bを加え、さっくり混ぜて170度のオーブンで45分焼く。
砂糖はいっこも入っていないけれど、十分な甘みがあるチーズケーキもどきが出来る。
米飴粕の量を減らしてバナナにしても、これまた美味しい。
酒粕クリームとは、
酒粕5に対しお湯4を加えクリーム状に練ったもの。
クリーム状なので使いたいときにすぐ使えて便利なもので、
うちは常にクリーム状の酒粕が用意されガンガン使っている。
お勧め。
酒粕を入れずに焼いたら、普通のパウンドケーキになるので
色々アレンジしてね!
*麦芽から米飴を作る
材料:玄麦70g 白米2合
①玄麦を発芽させる。根っこが出てくるまで2日ほど(気温により変化する)水につけておく。毎日水を換える。
②まず”根っこ”が出てくる。根が出てきたら、ザルに入れ替え、乾燥しないようにビニール袋を被せ、毎日水をかける。
③根が3本出た後、”芽”が出てくる。芽が麦と同じ長さくらいになったら完成。これはちょっと芽が成長しすぎた。
④フードプロセッサーで挽く。
⑤すぐに使わない場合は乾燥させておくといつでも使える。
⑥白米2合を水4合で炊きおかゆをつくる。
⑦炊けたおかゆを60度以下まで冷ましてから麦芽を入れ混ぜる。
⑧50~60度で10時間保温し糖化させる。
⑨晒しで絞り、液体と粕に分ける。
⑩液体を煮詰める。ここからは甘酒米飴と同じ。
煮詰めた時間は約1時間。液体800mlが煮詰めて250mlほどになる。
↓は煮詰めすぎた。飴になる手前までいったのでお湯を入れて煮詰めなおす。
米飴作りは発酵ではなく、酵素による「糖化」である。
発芽した玄麦には糖化酵素のアミラーゼがたくさん出ていて、お米のでんぷんを糖に分解してくれる。
米糀も同じく糖化酵素がたっぷりあるから、お米のでんぷんを糖化しているのだ。
それだけでも甘いのに、それをさらに煮詰めることで、まさしく「飴」のような甘さになる。ついでに火を入れることでメイラード反応がおきてコクが出る。
出来上がりは少量になってしまうから、あ~やっぱりもったいない、と思ってしまうのだ。
「入れて」ってゆうから開けたのに入らない子。