*虫の事

 

畑には、様々な虫がいる。


あまり虫の事に詳しくはないけれど、やはり野菜や米に付く虫は気になるものだ。
例えば、アブラムシ、カメムシ、ウリバエ、ウンカ、モンシロチョウの幼虫、虫ではないけれど、ナメクジ(じゃああれは何なの?)など、野菜の苗をムシャムシャ食べ尽くしたり、米を枯らしてしまう虫達だ。
ウチの畑や田んぼにもこれらの虫が大量発生したが、殺虫剤を撒くでもなく、殺すという事をしたことはない。
彼らを観察してみると、面白い習性が見えてくる。
カメムシは、人参やディルの花が咲きだすと、赤と黒の縞模様の者が集まり、花の蜜を吸っている。

そして、しし唐やピーマン等の茎には濃いグレーのカメムシが集まる。茎の養分を吸っているのだろうか。

同じカメムシでも好みが違うようで、飯を取り合うことはないようだ。

隣の田んぼのおっちゃんは、農家なのにカメムシを見たことがなかったようで、ウチの人参の花に付いているカメムシを見て、

「この虫は何や?」と聞いてきた。

「これはカメムシだ。」と答えると、驚いた顔をして

「これカメムシか!?こんなんおったらウチの米吸われてまうやないかー!」と焦っていた。

人参の花に付くカメムシは米にはつかないという事も知らないようだった。

ウリバエは、ウリ科の苗の新芽や若い本葉を食べ尽くしてしまう嫌な子だ。

ウリ科の苗を植えると途端にどこからともなくやって来る。

だから、若い苗を守るため、肥料袋などで行燈を作り隠すという事をする。

彼らは臭いを嗅ぎつけるのか、それとも何処かから見ているのか?

不思議に思うのだが、どうやら彼らは目で確認しているようで、行燈を透明のビニールで作るとバレて中に入り、苗を食べられてしまったが、枯草などで周りを囲んで隠してみるとバレずに食べられなかった。

 

←枯草行燈。

鳥の巣のようであるが、

中には若い苗が隠されている。

 

 

 

 

 

 

 

苗がこれくらいになれば、

もう大丈夫だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ナメクジも、野菜に好みはあるが、新芽を食べ尽くしてしまう嫌われ者だ。

アブラナ科やピーマン、しし唐などの新芽は好んで食べた。

いつまで経っても芽が出てこないな、と思っていたらこの子らが食べ尽くしてしまっていることはよくあった。

だから、ナメクジが好む野菜の種はポットで蒔いて管理し、ある程度大きくなってから畑に植えることにした。

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枯草を剥ぐとナメクジはテロンと横たわり、無力そうに見せかけているが、何を考えて生きているのだろう、何の為にここにいるのだろう、と考えてしまう存在だ。

米の収穫前の秋になると、ウンカという虫が大量発生することがある。

彼らは米の茎にびっしり付いて、米の養分を吸いつくし、枯らしてしまう。

小さな小さなハエのような姿の虫なのに、立派に育った米でも数日で枯らしてしまうほどの力を持っている、凄い奴だ。

彼らが大量発生しても殺虫剤を撒くわけにもいかないので、木酢を撒く。

臭いを嫌って何処かに行ってくれるので、収穫まではこれで何とかしのいだ。

けれど、田んぼの周りにたくさんのウンカが飛んでいるにも関わらず、米に何の被害もない年があった。どういう違いなのだろうか。

自然農の畑をしていると、こぼれ種で沢山芽を出すものがいる。

かなり密に芽を出すので、虫に食べられる事で間引かれ、ちょうど良くなるのだろう。野菜も虫に食べられる事を計算して、沢山の種を落とすのだろうか。

栄養過多な畑や田んぼで育つ野菜や米は、きっと人間で言うところの肥満体だ。

栄養過多になった体の不要な養分を虫達は吸ってくれているのかもしれない。天然のデトックスだろうか。

そして、命が終わった動植物も、虫や菌が食べて分解して土に還る。

自然界で起こることは必ず、全て上手くいっているハズだ。そこに人の手や心が入ると悲しいかな不自然になる。だから厄介なのは実は人間の方なのだ。

もう少し様子を見てみよう、と気長に考えてみる。答えはこの畑や田んぼの中にあるハズなのだ。