*野生と化した野菜達

 

耕さない自然農をしていると、野菜の種が自然に落ち、自分で勝手に発芽し始める。

種はなるべく自家採取し、取れなかったものなどは固定種の種を購入している。

自家採取と言っても、簡単に取れるものとそうでないものがある。

大根の種など簡単にできるが、ふと気づくと鳥に全て食べられていたり、からし菜の種を取ろうと見てみると、すでに弾けてばら撒かれていたりする。

きゅうりはお腹を裂いてみると、母体の中ですでに発芽していたのには驚いた。

黄色の花が咲くアブラナ科の野菜達(小松菜、ブロッコリー、キャベツ、水菜、チンゲン菜など)は、大体が交配し合ってしまい、種を取って蒔いたところで何か分からない物が育つので、取るのを辞めた。

畑を始めた1年目は何も知らずにF1種の種を蒔いて種取りし育てた。オクラやニンジン、ズッキーニだったと思う。

オクラや人参は変化なく、もう何代も種を取り続け、今でも畑で育っているが、ズッキーニは4年目くらいに突然変化した。ある時、美味しそうなズッキーニが成ったので収穫し、トマトやナス等の夏野菜と一緒にラタトゥイユを作った。

味見して飛び上がった。苦いのだ。何とも言えない苦さでえぐい。鍋の中のたくさんのラタトゥイユは人間の食べ物ではなくなっていた。

その苦いズッキーニは強く、ぐんぐん成長してたくさんの実を付けた。もう食べられないから放っておいたら、こぼれ種で翌年も芽を出し、実を付けた。

今年は大丈夫かも、と思いかじってみたがやはりエグくて苦いズッキーニだった。本当に美味しそうで綺麗なズッキーニだったので残念でしょうがなかった。

こぼれ種で確実に発芽し実を付けるのは、ゴーヤ、小豆、大根、ツルムラサキ、人参、ゴボウ辺りだろうか。

どれも一応種を取り、畑の畝に種蒔きするのだが、必ず自身でも発芽し実を付ける。

そんな自生野菜は、自分で適期に発芽するもので、わざわざ蒔いた種よりも必ずと言っていいほど立派に育った。

小豆は7月に蒔くものだが、自生小豆は4月半ばに発芽する。こんなに早くに発芽して実を付けたら虫に食べられるんじゃないの?と思いきや、きれいでプリプリの実を入れる。私が7月に蒔いた方の小豆は虫が入り、実も小さく、あまりキレイとは言えない代物だった。

人参は4月に塔立ちし始め、ぐんぐん背が伸びて花を咲かせ、7月頃に種が出来る。そして茎は枯れて横に倒れ、隣の畝に種を落とす。勝手に移動しているのだ。

ゴボウも私が種を蒔くと発芽しないくせに、こぼれ種であちこちから発芽していた。

世話がかからない、というか呆れる程自立している。

私はいったい何なのか?

そんなに丁寧に扱わずとも、野菜たちは自力で育つことが出来ると分かってくると、種取りも、種まきも手を抜き始めた。

トマトやしし唐などは、実のまま放っておいた。すると実は朽ちて皮だけ残り、皮の中で種が乾いて残った。

熟したゴーヤも土の上で転がしておくと、実は朽ちて虫がきれいに食べ、種の周りの赤いところも乾燥して、さらに放っておくと、土の上にはきれいに種だけが残っている。それを拾い集めた。

こぼれて発芽するくらいだから、種まきも丁寧に一粒づつ蒔いて覆土して・・とやる必要があるのか?と思い。大根やゴボウの種は莢のまま、トマトも乾燥させた実のまま、軽く土を被せておいたら発芽した。

けれど、全ての野菜達がそうあるわけではなく、きちんと種を取り、蒔いて草管理をし、世話をしないと育たない物が大半である。

人が口にするために栽培され続けてきた野菜達は、人に依存するようになったのだろうか?雑草とは比べものにならない程弱いのだ。

土が固いと芽をだせないし、肥料がないと大きくなれない。雨が少し降らないと枯れてしまう・・。

それでも、毎年毎年種を取り続けていると、野菜達が少しづつ強くなっているように感じる。私の放任主義で、少し厳しい環境を経験しているからだろうか・・。

そうやって、私と共存する野菜達や私の手から離れて自立していく野菜達は頼もしく、自然の摂理を厳しく丁寧に私に教えてくれるのである。

あからめ家FB

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